HAUS TIMES/8月号

失敗しない家づくりの工夫がつまった
アイディア集

今月のテーマ

今月のテーマ

造作家具とは、その家や空間に合わせて設計・製作する家具のこと。
オーダメイド家具の一種ですが、一般的に、天井や床、壁に固定する造り付け家具を指します。
新築はもちろん、リノベーションする場合に、既製家具ではフィットしない場合やより機能性を高めたい場合に用いられます。

そんな造作家具のメリット&デメリットやご要望が多い造作家具をご紹介します。

造作家具は家族のサイズや要望、好みの色などに応じて好きなように造れる、いわば注文住宅ならではの醍醐味。
ぜひ家づくりの参考にしてください。


キッチン&ダイニングカウンター

キッチン
&ダイニングカウンター

キッチンにカウンターを取り付けたものからキッチンとダイニングテーブルを一体化させたものまで、キッチン周りの造作を希望される方は多くいらっしゃいます。家族とコミュニケーションがとりやすくなったり、省スペースになってリビングを広くとれたりなど、さまざまなメリットがあります。

ダイニングテーブル

キッチンの広さに合わせて造作したダイニングテーブル。一段下げたキッチンの床に合わせて高さも設計しているため、キッチンに立つ人とダイニングテーブルに座る人との目線が合いやすくなります。

キッチンカウンター

キッチン台と対面になるように取り付けたカウンター。配膳や食器の片付けなどが移動せずにまかなえるため、家事の負担を減らせます。

キッチン&ダイニングテーブル体型

キッチン台にダイニングテーブルを埋め込むように施工。床の色やキッチンの腰壁と合う材種を選んだため、デザイン性は抜群。思わず人を招いて自慢したくなるようなキッチン&ダイニング空間です。


玄関ベンチ

玄関扉を開けてすぐ目に入る場所に施工した玄関ベンチ。靴を履いたり、脱いだりする時に腰掛けられたり、飾り棚として使ったり、さまざまな使い方が可能。ベンチの上に窓をつけると、ヌケ感が出て、開放感を感じる玄関を演出できます。

お気に入りの雑貨や絵画を飾って、
飾り棚としても活躍します。

壁で囲んでソトから直視できないように施工

ソトの景色を採り込む窓もプラスして
奥行き感UP

木がインテリアのアクセントとして活躍


テレビボード

内装に合わせた無垢材を使ったテレビボード。時間の経過とともに風合いや色が変化する経年変化を楽しめるのが人気の理由です。木の重厚感が上質な空間演出にひと役買います。

テレビ台だけでなく、収納棚としても使えるデザイン

二階建ての場合、階段の段板とテレビボードを兼用するデザインもおすすめ。省スペースにもつながり、リビングを広くとれます。

造作家具のメリット・デメリット

メリット

  1. 空間をムダなく活用できる

    既製家具は材料ロスを少なくして、生産性を高めるために、基本的に10cm、15cm、30cm、45cmなどの寸法が基本寸法となって製作されることがほとんど。そのため、そのサイズに当てはまらない空間だと、家具を置いた脇にデッドスペースができてしまいます。このデッドスペースをなくして空間を有効活用するには、できるだけ寸法が合う家具を選ぶ必要があります。造作家具であれば、空間に合わせて寸法を決められるため、ムダなスペースが省けます。
  2. 家具のサイズを使う人に合わせられる
    既製家具では高さが高すぎたり、逆に低すぎたりして、腰や首に負担がかかってしまうということも考えられます。造作家具は使う人の体格に合わせて造ることができるため、購入した後に、使いづらさや不便さを感じることがありません。
  3. デザインを統一できる
    注文住宅は、和モダンスタイルや北欧スタイルなど、好みのデザインスタイルに沿って、内装を決めることが多くあります。その場合、既製家具では内装に合うデザインのものを見つけるのが難しいことも。造作家具は、材料となる無垢材の樹種や色柄から選ぶことができるため、家のデザインと合わせたコーディネートが可能です。
  4. 地震の被害を抑えられる
    近年発生した大地震において、ケガにつながる原因のひとつに「家具の転倒、落下、移動」が挙げられています。床や天井、壁に固定する造作家具あれば、その被害を最小限に抑えられることが期待できます。

デメリット

  1. コストが高くなる
    造作家具は職人が手作業で製作するため、人件費や作業費が発生して、建築費用が高くなりがちです。
  2. 施工までに時間がかかる
    現場に合わせて設計・製作するため、ある程度、周囲の壁や床の下地が出来上がらないと製作できないことが多いです。
    さらに、打ち合わせも必要となるため、その分、施工完了までに時間がかかる場合があります。
  3. 移動や修理がしにくい
    造作家具は、その場所に固定するため、安易に移動がしにくいです。どうしても移動する場合は、取り付け部分にビス穴が残ったり、解体などの手間がかかることが考えられます。造作家具を設計する段階で、家族構成やライフスタイルが変化する可能性など、長期的に考えて計画する必要があります。

→どうする⁉︎外壁
外壁の種類とメンテナンスコスト徹底比較

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