令和6年1月1日に発生した能登半島地震により犠牲となられた方へお悔やみを申し上げるとともに、被災されたすべての方にお見舞い申し上げます。
また、被災地域の皆様の安全の確保を心よりお祈り申し上げます。
南海トラフ地震や関東一円の首都直下地震などに対する懸念は以前から取り上げられていましたが、今や日本各地でいつ大きな地震が起きてもおかしくない状況です。
そこで、地震への備えや、地震が起きた時に倒壊しやすい家の特徴をまとめました。
地震に不安を感じている方へお役に立てれば幸甚に存じます。
地震で倒壊する家の特徴とは
地震による被害には、津波や火災、倒壊、土砂崩れ、液状化現象などがあり、地震大国の日本ではそれらの被害を想定し、備えをしておく必要があります。
その中で、最も身近な被害として挙げられるのが家の倒壊によるものです。では、実際にはどのような家が倒壊しやすいのかについて、6つの主な特徴をご紹介します。
老朽化が進み、内部にダメージがある家
一度傾いた家が自然に直ることはありません。これまで台風や地震、大雨などさまざまな自然災害を経験し、幸いにも小さな修理だけで乗り越えてきた場合でも、外見では判別できない内部の損傷が積み重なっている可能性があります。
また、屋根の頂部や軒先に波状の変形が見られる場合や、建具の取り付け部分の劣化などが見られると、老朽化の兆候とみなしています。
築年数が古く、建築当時の構造のままの家
1978年の宮城県沖地震や、1995年の阪神淡路大震災のような大規模な地震が発生したことを契機に、1981年以降、建築基準法の大改正が行われ、現在の耐震基準が策定されました。
この状況を踏まえると、特に1981年の大規模な建築基準法改正以前に建築された古い家屋は、耐震性能に不安があるという問題が浮き彫りになっています。
長く住んできた家や生活を守るためにも、リフォームや増改築などの適切な対策をすることが重要です。
風通しがよく、大きな吹き抜けのある家
風通しが良い家と倒壊する家とでは直接的な関連が無いように見えますが、風通しが良い家は、柱や壁の数が比較的少なく、開口部の多い家とも表現できます。
さらに、リビングなどに大きな吹き抜けを持つ家は、2階部分に床がないスペースが生じることから、1階の揺れが直接2階に伝わり、地震の影響を受けやすくなる傾向があります。
しかし、しっかりとした耐震、制震対策を行えば、大きな窓や少ない壁で開放感のある家をつくることは可能です。
ザハウスでは、高層ビルなどの免震装置に使われる高減衰ゴムを使った制震デバイス「ダイナミックファスナー®」を全棟採用し、耐震性能+制震性能を備えた住宅を建築しています。
柱や壁の配置のバランスがとれていない家
柱や壁の配置が偏っている場合、通常同じ木造住宅内であっても、壁が密集しているエリアは揺れが抑制される傾向にあり、一方で壁が少ないエリアでは揺れが大きくなることが多いです。
さらに、1階と2階で柱や耐力壁(水平方向の力に抵抗する主要な壁)の位置が一致する割合を「直下率」と称していますが、この比率が50%未満の場合、本来は垂直な柱や壁を水平方向に支える横架材が曲がってしまったり、それによって床が不均一になるなどの損傷が生じやすくなります。
しかし、直下率が低くても倒壊しない家が存在するのも事実で、これは一致している柱や耐力壁の数とそのバランスが影響しているとされています。
シロアリの被害に遭っている家
国の調査によると、阪神淡路大震災では倒壊した家の大半にシロアリの被害や木材の腐敗がありました。シロアリの被害が見受けられる家では、柱や梁、土台など住宅の要である部分が脆くなっていることが多く、倒壊の危険性が高まります。
シロアリの被害があるかを確認するには、業者へ調査依頼をするのが確実でなにより安心ですが、「天井の変色」「柱や壁をたたくと中が空洞であるかのような音がする」「梅雨の時期、羽アリが大群を成して飛び立っているか」などの状況からも判断することができます。
L字型やH字型など、複雑な形状の家
地震に弱い家は、L字型やコの字型などさまざまな形状をしていることが多く、逆に正方形や長方形などのシンプルな形状の家は地震に強いといわれています。
この理由は、地震が起きた際に建物の上下左右前後の6面が協調して動き、エネルギーが壁や地面に効率的に分散されて安定するためです。
一方、複雑な形状の家では、木材と金具など部品同士の接合箇所が多く、特に、角や曲がった部分は強度が不足しやすく、そのためシンプルな構造の家に比べて脆弱性が高まる傾向があります。
ザハウスの家は耐震+制震対策。だから思いのままの間取りが可能
とはいえ、せっかくマイホームを建てるなら、耐震性も重要ですが、デザイン性や動線、間取りにはこだわりたいもの。
ザハウスの家では、先にご紹介した制震金物「ダイナミックファスナー®」を採用して、地震に強い家づくりを行っています。
ダイナミックファスナー®とは、高層ビルなどで使用されている高減衰ゴムと金物を組み合わせた制震金物。この二重のハイブリッド構造が、「耐震力」だけでなく、揺れを吸収する「制震力」を発揮します。さらに、揺れを吸収することで建物内部の構造材の破断を防ぐため、複数起こる地震でも耐えることができます。
さらに、このダイナミックファスナー®を家を支える構造柱である筋かいに分散して配置するため、複雑な形状の住宅や開放感のあるLDKの家でも倒壊しづらい家を実現します。
地震に備えてしておくべきこと
いざ地震が起きてしまったら、まずは生命の確保が最優先事項です。そのためには、前もって家族で共有しておくべきことがあります。それは「災害時の避難場所」「避難場所までの避難経路」「安否確認の手段」です。
安否確認の手段
災害時は電話やメールが混雑したり、停電などで使えない場合も考えられます。災害用伝言板の活用や、状況によってはSNSで連絡を取り合えるように、事前に話し合っておきましょう。
災害時の避難場所
避難場所は地域によって指定されています。避難場所を事前に把握しておくことで、災害が発生した際に冷静に行動することができます。この準備が後々の安否確認や合流もスムーズにするので、より安心です。
津波の到達まで時間がなく、避難場所への移動が危険な場合は、高いところに避難しましょう。
避難場所までの避難経路
マンションなどの集合住宅に住んでいる方は、ベランダや共用廊下、外階段などが避難経路となります。その避難経路でトラブルが起きるなど、通行できない状況も考え、複数のルートを確認しておくことも大切です。
まとめ
今回のコラムでは、地震によって倒壊する家の特性や、地震発生に備えてしておくべきことをご紹介しました。
この特徴に当てはまっていないかご確認いただくと同時に、これから家を建てられる方はどれくらいの耐震性能が確保できるのか、シロアリに強い構造材が使われているかなどをしっかり確認することをおすすめします。
能登半島地震で倒壊した住宅の報道を見るたびに、家のプロとして、地震に強い家づくりの重要性を改めて強く感じています。
皆様に安心して永く住んでいただける家づくりを目指して、より一層精進してまいります。