失敗しない家づくりの
工夫がつまったアイディア集
今月のテーマ
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1995年1月に発生した阪神淡路大震災。震源地が陸に近い直下型だっため、その被害は、建築物、高速道路、鉄道、ライフラインなど、多岐にわたりました。特に住宅の被害は甚大で、住家被害は約10万棟を超える住宅が全壊となりました。
そこから約30年。日本では変わらず東日本大震災や熊本地震、能登半島地震など、大地震と呼ばれる規模の地震が繰り返し発生しています。
そんな大地震や繰り返し起きる地震から家族と家を守り、悲劇を繰り返さないためにも今こそ地震と家の関係について正しい知識を備えましょう。
地震で住宅が倒壊する理由
地震で住宅が倒壊する理由
地震の力が住宅に加わると、家の内部の構造が大きく変形し、倒壊を引き起こします。例えば、柱と梁や土台が組み合わさっている部分が外れたり、柱が土台から抜けてしまう、壁の量が少ないために柱や梁が破損する、などが挙げられます。

では、なぜそういった内部の破損が起こるのでしょうか。
それは主に、下記の3つの要因が引き金になると言われています。
強い揺れによって住宅の重要な構造部分(基礎や土台、柱、筋かい、壁など)が崩れ、その結果、さらに揺れやすい状態となり、住宅の倒壊へとつながります。
大きな揺れでなくても、何度も繰り返し揺れると住宅は徐々にダメージを蓄積し、最終的には耐えられるはずの地震でも倒壊するリスクが生まれます。特に大きな地震の後に余震が続く場合などは大きな地震によって破損された状態に揺れが加わってダメージが蓄積されるため、注意が必要です。
地震時に建物の振動周期と地盤の揺れが同期する(共振)と、揺れは増幅され、住宅への影響はより甚大なものとなります。
地震による倒壊を防ぐための3つの構造
地震による倒壊を
防ぐための3つの構造
では、倒壊を防ぐためにどのような対策が可能なのかというと、以下の3つの施工を施した構造がありますが、実際には住宅への対策という意味では耐震構造と制振構造の2つとなります。
耐震構造:建物を強固にする
耐震対策は揺れに耐えられるように住宅を強固にすることです。合板や筋かいなどの耐力壁や壁によって地震に抵抗する力をつけて倒壊を防ぎます。
メリット
●費用が安い
(工法によっては高額になる場合も)
●工期が短い
●地震の波形や地盤を選ばない
デメリット
●揺れの強さに応じてダメージが残る
メンテナンス
●なし
耐震構造:建物を強固にする
耐震対策は揺れに耐えられるように住宅を強固にすることです。合板や筋かいなどの耐力壁や壁によって地震に抵抗する力をつけて倒壊を防ぎます。
メリット
●費用が安い(工法によっては高額になる場合も)
●工期が短い
●地震の波形や地盤を選ばない
デメリット
●揺れの強さに応じてダメージが残る
メンテナンス
●なし
制振構造:揺れを吸収する
制振は住宅内で地震の揺れ(エネルギー)を吸収する構造。住宅の内部に制振装置を設置して地震による揺れを小さくします。
メリット
●費用が安い
●揺れに強い
●住宅の構造が弱くてもそれを補える
デメリット
●耐震構造と組み合わせることで
効果を発揮
メンテナンス
●使用する装置による
制振構造:揺れを吸収する
制振は住宅内で地震の揺れ(エネルギー)を吸収する構造。住宅の内部に制振装置を設置して地震による揺れを小さくします。
メリット
●費用が安い
●揺れに強い
●住宅の構造が弱くてもそれを補える
デメリット
●耐震構造と組み合わせることで効果を発揮
メンテナンス
●使用する装置による
免震構造:建物と地盤を切り離す
免震は地震の揺れが住宅へ直に伝わりにくくするために、住宅と地盤を切り離す構造です。住宅と基礎の間に特殊な免震装置を設けることで地震のエネルギーを受け流して、住宅の揺れを少なくします。
メリット
●地震による揺れや衝撃を大幅に軽減
●家具などの内装物のダメージも減らせる
●住宅内部の損傷を防げる
デメリット
●台風などの強風で揺れることもある
●軟弱な地盤では被害が大きくなる可能性がある
●費用が非常に高額
メンテナンス
●必要
免震構造:建物と地盤を切り離す
免震は地震の揺れが住宅へ直に伝わりにくくするために、住宅と地盤を切り離す構造です。住宅と基礎の間に特殊な免震装置を設けることで地震のエネルギーを受け流して、住宅の揺れを少なくします。
メリット
●地震による揺れや衝撃を大幅に軽減
●家具などの内装物のダメージも減らせる
●住宅内部の損傷を防げる
デメリット
●台風などの強風で揺れることもある
●軟弱な地盤では被害が大きくなる可能性がある
●費用が非常に高額
メンテナンス
●必要
耐震等級3でも安心できない!?ダメージの蓄積がカギ
耐震等級3でも
安心できない!?
ダメージの蓄積がカギ
耐震性能の中で最も高いレベルの耐震等級3。耐震等級1の1.5倍の地震力に耐えられる耐震強度があり、一度大きな地震が起きてもダメージが少ないため、地震後も住み続けることが可能とされています。実際に、2016年に発生した熊本地震では耐震等級3の住宅は倒壊しなかったことで、大きく話題となりました。しかし、注意が必要なのは、倒壊はしなくても住宅にダメージが蓄積している場合があるということ。構造部分の損傷や破損が起きていると、地震が繰り返し起きた場合、少しずつその損傷は大きくなり、最終的には倒壊を引き起こしてしまうリスクがあります。そのため、耐震等級3を取得するだけでなく、住宅が損傷しづらい構造を検討する必要があります。

地震に強い家づくりのポイント
地震に強い家づくりの
ポイント
前述した通り、地震に強い家を建てるためには耐震性や制振性をもたせることが重要です。制振性能は制振ダンパーなどの制振装置を建築時に設置する必要がありますが、耐震性能は家そのものを強くするため、材料の選定や建築プランの計画の中で実現できます。主なポイントは下記の通りです。
建物の重量を軽くする
一般に、建物は軽量である方が耐震性は高いとされ、建物の重さは使用する材料によっても変わります。例えば、重い瓦屋根を軽量屋根材に葺き替えることで、被災時の倒壊リスクを下げることができます。

耐力壁・柱の数を増やす
耐力壁とは、地震や暴風など横方向からの力に耐えるために設けられた壁のこと。壁の枠に筋かいを入れたり、構造用合板を張るなどして強度を上げています。この耐力壁や柱の数が多いほど、耐震性は高まります。

耐力壁の配置バランスを検討する
耐力壁の数だけではなく配置も重要です。配置に偏りがあると、揺れの力が一部に集中してねじれが生じ、住宅が変形する可能性があります。バランスよく配置することで耐震性が向上します。

基礎の工法を検討する
基礎の造りは家の荷重を面で支える「ベタ基礎」と点で支える「布基礎」に大別されます。住宅を支える基礎も耐震性では重要。一般的には面で支える「ベタ基礎」の方が耐震性が高いとされます。

金物で接合部を強化する
基礎と柱、壁と梁などの接合部に取り付ける金物は、地震の揺れによる柱や梁の抜け・ゆるみを防止します。ザハウスでは筋かいに金属と高減衰ゴムの二重構造でできた制震ダンパーを採用しています。

年間に約2,000回にもおよぶ地震が起きている地震大国、日本。その影響からか、「地震に強い家」が住宅会社選びのポイントの上位に上がってくるようになり、人々の地震に対する意識が高まってきていると言えます。
「地震が起きたらどうしよう」ではなく、「地震が起きても大丈夫」と思える家づくりをぜひご家族でご検討ください。家を守ることは家族を守ること。二度と30年前の悲劇が繰り返されないよう私達も「安心して暮らせる家とは?」と常に自分自身に問いかけ、真摯に家づくりと向き合っていきたいと思います。
理想の空間づくりは”配色”がカギ!
効果的な色の使い方
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