今、日本では小さな子どもたちがぜんそくやアレルギーにかかる割合が増加。そして、その原因と考えられるアレルギー物質の発生と住宅の性能は密接な関わりがあると指摘されています!
特に、アレルギーを引き起こす「カビ・ダニ」は住宅の温熱効果や通気性と深い関係があるため、アレルギーから子どもたちを守るには住環境を改善することが不可欠なんです!ということで、今回の【失敗しない家づくりのコツvol.03】では、その改善方法をご紹介します!
増えている子どものぜんそく
ぜんそくとは気管支が狭くなり、空気が通りにくくなる病気です。近年、日本では医療の発達や予防医療への意識の高まりから多くの病気の罹患率が減少している中、子どものぜんそくは増加。また、その原因の多くは、アレルギーであることも指摘されています。
他に、湿疹やじんましん、花粉症、胃腸障害など「いつものこと」「体質だから」と見過ごしていた症状も、実はアレルギーが原因だったという可能性も。さらにこのアレルギーを引き起こす物質となる「アレルゲン」は、なんと安らぎの場であるはずの家の中に潜んでいることが分かっています。
家族の健康をおびやかす代表的な3つのアレルゲン
家の中に潜むアレルゲンの代表的なものが「ダニ」「カビ」そして「化学物質」です。
これらのアレルゲンについて知り、排除することがアレルギー症状の改善につながります。
■室内アレルゲンの代表格!「ダニ」
ダニは一般家庭のハウスダストの中に最も多く含まれるアレルゲン。ぜんそくはもちろん、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎などを引き起こします。こまめな掃除など、発生しにくい環境を作ることが大事です。
日本のぜんそく患者のうち、小児では80%以上、成人でも50%以上の患者がチリダニ科のダニに感作されていると言われています。
■アレルギー疾患や肺炎を招く「カビ」
カビの胞子を吸入することで、気管支炎やぜんそくなどを引き起こします。カビの多い環境に2歳まで居住すると、6~8歳時の鼻炎症状が増加するというデータが報告されています。
■アレルギーだけじゃない!シックハウス症候群まで引き起こす「化学物質」
カビやダニのほかに、室内環境中の化学物質も見逃すことのできないアレルゲンです。
家の建材や室内の家具、防虫剤などには人体に悪影響を及ぼす化学物質が含まれているものが多々あります。
家の調湿と結露対策で「ダニ」「カビ」を退治!カギは自然素材と高断熱化
アレルゲンである「ダニ」「カビ」の発生を抑えるのに有効なのが家の調湿と結露の防止。
湿度を50%前後にコントロールし、ダニやカビの発生条件をつくらないことと発生原因となる結露を防ぐことが必要です。そのためには家を高断熱化することと調湿に優れた自然素材を建材に使用することをおすすめします!
■調湿に優れた建材を使用
床材などに使用する無垢材、塗り壁材として使える珪藻土など、化学物質を含まない自然素材は調湿作用に優れています。
■窓を見直して家を高断熱化
高断熱化するためには、断熱材と窓を見直すことが大切。断熱材には、セルロースファイバーなど自然素材の断熱材を使用したり、樹脂サッシや真空断熱ガラスを使った窓を取り入れることで家の湿度を快適な状態に保つことができ、カビやダニの発生防止につながります。特に窓は住まいの中でも最も熱の出入りがある場所。窓の仕様を変えるだけで調湿性能が高まる可能性大です!
明らかになっている小さな子どものぜんそくやアレルギーの原因と住環境の深い結びつき。
デザイン性や快適性だけでなく、調湿機能や断熱性から考えて健康性能の高い家を建てることが、失敗しない家づくりとなる一歩です!