寒い家での凍死が急増!これでいいのか、日本の住宅
屋内での凍死が急増していることが、厚生労働省の人口動態調査によって報告されています。
その数、なんと2000年から2016年までの間で計16,000人!!
これは熱中症のおよそ1.5倍に上る数だと言われています。
「そんなの、暖房を入れれば良いんじゃない?」と思う人も多いと思います。
しかし、重要なのは、暖房を入れなければ凍死するほど日本の家は寒いという事実!
さらに、日本では部屋を細かく区切って、人がいるときだけ採暖する「部分間欠暖房」が一般的であるため、リビングは暖かくても廊下やトイレに移動すると極端に寒いという住宅が多く、その温度差で血圧が急激に変動して命を失う、いわゆる「ヒートショック」を起こす人も多いと言われています。
欧米では高断熱&全館暖房が当たり前
欧米の住宅では、人のいない部屋も暖める「全館暖房」が当たり前で、屋内での場所によって極端な温度差が出ることはないと言われています。
また、国によっては、暖房を入れた部屋が一定の温度以上であることを定める室温規定を設けているところも。
例えばドイツでは賃貸住宅の室温は最低でも18℃、浴室やトイレは21~22℃を維持しなければならないという決まりがあり、この温度を下回るような寒い部屋を貸したオーナーは、賃料を減額させられる可能性もあるのだとか。
▼国が定める室温基準によって快適さが守られている海外の住宅
高い断熱性能で、全館暖房でも光熱費のリスクなし
全館暖房をするとなると真っ先に心配するのが光熱費。
しかし、欧米の家はしっかり断熱されエネルギーを効率的に活かしているため、生活費を圧迫するほど光熱費はかからないそう。
つまり、私たち日本人がついつい光熱費を心配してしまうのは断熱性能が劣る家のせいなのです。
優れた断熱性能を持つ断熱材や寒い外気を遮断する樹脂サッシ、外気の温度から室内を守る塗り壁など、家の材料や間取りを見直すことで、エアコン1台でも十分に暖かい室内を実現できます。
▼高性能なセルロース断熱材、樹脂サッシ、漆喰の塗り壁を採用した「夏涼しく、冬暖かい」ザハウスの家
日本の住宅の「断熱義務化」は見送りに?
欧米諸国とは異なり、日本にはこれまで住宅の断熱基準が義務付けられていなかったため、ほぼ無断熱の住宅を販売したとしても許されていました。
それは人の健康リスクだけでなく、省エネや地球温暖化対策にも逆行するとして、国が断熱基準を定める方向で議論が進められ、2020年には義務化されることが決まっていましたが、一転して、見送られる方針が打ち出されています。
適切な室温の家に住むことは人権だと考える欧米諸国と違って、日本では家族の健康は自分たちで守らなければならない状態がまだまだ続きそうです。
※出典:@niftyニュース