おうち時間を楽しめるスペースとして、ますます注目が集まっているのがアウトドアリビング。今回のコラムでは、インテリアコーディネーターが、快適で使いやすいアウトドアリビングのポイントをご紹介します。
アウトドアリビングとは
アウトドアリビングとは、リビングの続きにテラスやデッキ、中庭を設けて、外空間もリビングのように使えるようにしたスペースのことです。室外を室内と同じように生活空間の一部として利用できるのが魅力。開口部をリビングに設置することで、室外にいながらまるで室内で過ごしているかのような環境をつくることができます。
コの字型に囲まれたテラスやデッキは、周囲からの視線を遮ることができるので、プライベートな空間を楽しむことができます。また、リビングの延長上にあるフラットな空間がリビングを広く開放的に見せる効果も。コロナ禍でも充実の暮らしをもたらすスペースとして、人気が高まっています。
アウトドアリビングのメリット
どんな家でも取り入れられる
家の大きさや間取りに関係なく、どんな家でも気軽に取り入れられます。暮らし方に応じて形や広さを考えましょう。
生活空間を広げることができる
リビングと同じように、くつろぎのスペースとして利用できます。テーブルと椅子を置いて食事をしたり、カフェタイムや読書、ハンモックでお昼寝、ヨガやストレッチを楽しむなど、生活空間の一部になります。
LDKに開放感をもたらす
アウトドアリビングにつながる窓を天井までの大きな窓に、床の高さもフラットにすることで、外空間との境界線が目立たなくなり、実際の面積よりも広く開放的に感じられます。
外で遊ぶお子様に目が届く
キッチンから屋外までを見渡すことができます。キッチンやリビングから外で遊ぶお子様の様子にも目が届くので、安心感も得られます。
気軽にアウトドアを楽しめる
グランピングやバーベキュー、お子様のプールなど、おうち時間を楽しむスペースとして大活躍! 自然との一体感や季節の移ろいも堪能できます。軒を深く出せば、雨の日でも色んなアウトドアを楽しめますよ!
アウトドアリビングのデメリット
コストがかかる
基礎や屋根、外壁の面積が増えることで、材料費や施工費などの建築費用が割高になってしまいます。また、目隠し用のフェンスや植栽など外構工事費もかさみがちなので、予算と相談しながら進めていくことが大切です。
メンテナンスが必要
雨風にさらされるウッドデッキは、長年の使用によって色落ちや腐食などが発生してしまう可能性があります。また、金属を使っている場合はサビなどの発生も気になります。耐久性が高い素材の使用と定期的なメンテナンスによって、劣化を遅らせることができます。
プライバシーへの配慮
アウトドアリビングの配置によっては、隣家や周辺の道路からの視線が気になってしまう場合も。プライバシーに配慮した設計の工夫が必要です。
アウトドアリビングの事例
【 平屋1Fデッキ 】
<事例> 和モダン平屋で楽しむデッキスペース
1階にリビングがある場合、リビングの高さにテラスやウッドデッキを合わせるのが一般的です。1階にアウトドアリビングをつくる場合は、広いスペースを確保しやすいのも魅力。ただし、間取りによっては、道路や隣家からの視線が気になる可能性も。プライバシーは守りつつ、開放感のある空間にするために、目隠しになるフェンスや植栽を設置がおすすめです。
ディテールが美しい軒の下にあるデッキスペースからは、見晴らしの良い景色を堪能できます。リビングからつながるアウトドアリビングとしても楽しめます。
【 中庭テラス 】
<事例> 杉の天井でつないだアウトドアリビング
<事例> ロの字型の間取りの中心に置いた中庭
外壁に囲まれた中庭が家の中にプライベートな空間を持つことができます。家族のプライバシーを守りつつ、非日常を味わえる環境がつくれます。
杉の板で造作した天井で室内とテラスをつなぎ、リビングとの一体感を出して開放感をつくることで実際の面積より広さを感じさせてくれます。
【 2F建ての場合 】
<事例> 抜け感のある2階バルコニー
2階リビングの場合は、バルコニーやベランダとつなげてアウトドアリビングの仕様に。1階にアウトドアリビングをつくる場合と比べて、道路側からの視線は気になりません。隣家のベランダの配置によっては、お互いに気にならないように目隠しフェンスを設けた方が良い場合も。アウトドアリビングとして使える広さが必要です。
あえて屋根をバルコニー全体の1/3までにとどめて、空を見上げられる抜け感のあるバルコニーに。天気が良い日はチェアに腰掛けて日光浴しながら開放的な気分を味わえます。
今回は、アウトドアリビングをご紹介しました。
リビングの外の空間をアウトドアリビングとして取り入れることで、暮らしの幅が広がり、より充実した毎日を楽しんでいただけると思います。
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