最近、無垢材に惹かれてお問い合わせや見学会にご来場いただくご家族が増えています。
そこで、なぜ無垢材とは何なのか?無垢材を使うとどんなメリットがあるのか、なぜザハウスは無垢材にこだわって標準仕様として採用し続けているのか、についてご紹介したいと思います。
<<目次>>
●無垢材とは丸太から切り出したままの天然の木
●無垢材にしかない「道管」
●無垢材の長所と短所
●無垢材の効果① 癒やし効果
●無垢材の効果② 調湿効果
●ザハウスが目指すのはウェルネス住宅
●ザハウスが使用する自然素材
無垢材とは何なのか?
「無垢材って良く聞くけど、結局何?」という方に、改めて無垢材の正体についてご紹介します。
無垢材とは丸太から切り出したままの天然の木
無垢材とは丸太から切り出した天然の木の状態のままの木材のこと。
森林に植わっている木には、消臭効果や除菌抗菌効果など特有の作用が備わっています。森林の中は動物や虫などの死骸、排泄物などのさまざまな堆積物があり、本来ならこれらの臭気が漂うはずですが、それを全く感じさせないのはそのためです。無垢材が住宅用の建材に姿を変えたあともその効果は続くため、無垢材をふんだんに使用した住宅では、まるで森林浴をしているような心地よさを感じられるかもしれません。
一方、無垢材以外に住宅に使われる建材に、集成材と呼ばれるものがあります。これは、薄くした木版を接着剤で貼り合わせてブロック状にした木材のこと。無垢材が天然の木であるのに対して、集成材はいわば人工的に作られた木材と言えます。
無垢材にしかない「道管」
無垢材の最大の特長に「道管」があります。これは、森林で樹木として生きていた時に地中から水を吸い上げるための管のこと。樹種や産地によって違いはありますが、針葉樹だと直径約0.01~0.05mmほどで、髪の毛よりも細いものがほとんどです。この道管は、伐採されて木材となり、柱や天井・床に使われた後も空洞となって表面に表れ、木材の中で続いています。この道管の存在が断熱効果や調湿効果を生み出し、無垢材特有のチカラとしてこれまでの長い歴史で人々にたくさんの恩恵をもたらしてくれています。
また、この道管は床材やテーブルなどの家具に姿を変えた後の手触り感に影響します。
道管は中が空洞なのでへこんでいます。太い道管はその分、へこみが大きくなるので手で撫でると少し粗さを感じ、細い道管の樹種はへこみが少ないため、サラサラ、スベスベに感じます。
無垢材の長所と短所
無垢材には、木材ならではのさまざまな特長や木材製品を使用するにあたってのメリット・デメリットがあります。その特長を理解して上手に付き合えば永く快適な生活を送ることができると思います。
■長所① 人と暮らしにやさしい
無垢材には私たちのカラダと暮らしを守ってくれるやさしさを備えています。例えば、無垢材は鉄や石に比べて熱伝導率が低いため、外部の暑さ寒さの影響を受けにくいという特長があります。また、無垢材を床材として使用した場合、肌に触れる質感は非常に心地よく、踏み心地ににも優れているためカラダへの負担を軽減してくれるのも魅力です。
他にも、無垢材の香りに癒やされたり、外部からの光を和らげる働きも。それらは目には見えませんが、五感で感じ、住むほどに実感する長所です。
■長所② 優れた意匠性
無垢材にはさまざまな樹種があり、それぞれ異なる杢目の表情や天然ならではの色味のコントラストなどがあります。それらは、住宅の外部や壁や天井の一部などに使用すれば、デザインを豊かにしてくれます。また、どんな素材ともよくなじむ上、武骨なデザインを中和するなどの効果も期待できるため、見た人を魅了する優れた意匠性を持ち合わせていると言えます。
■長所③ 長持ちする
無垢材は伐採してから200年かけて強くなり、その後1000年かけて徐々に弱くなると言われています、実際に奈良の法隆寺や薬師寺の塔は1400年経った今でも健康な状態を維持しています。住宅も同様に、鉄筋コンクリート造や軽量鉄骨造などの鉄骨構造のものと比較して、木の家の方が長持ちすると言われています。
■短所① 湿度や温度の変化で膨張や収縮が出る
無垢材は伐採した後も生きているため、空気中の湿度の影響を受けて膨張したり、収縮する性質があります。住宅の床材に使用した際には、それは反りや割れとなる原因に。
しかし、それは無垢材がしっかり湿気を吸ったり、吐いたりして、室内の湿度をコントロールしている証でもあります。
■短所② ばらつきがある
無垢材は同じ樹種でも木目や色などにばらつきがあります。また、天然の木材特有の節や外皮を巻き込んだ入り皮なども見られます。
■短所③ 集成材と比べて高価
無垢材は伐採してから製材するなど、住宅の建材として使用できる姿になるまでは時間と労力がかかります。そのため、木材を接着剤で貼り付けて人工的に大量生産できる集成材と比較すると、やや高価になります。
無垢材がもたらす効果
無垢材には特有の作用や効果を備えています。その中でも私たちの暮らしに特に関係の深い2つのポイントをご紹介します。
癒やし効果
木材にはフィトンチッドという成分が含まれています。これは、植物や虫、細菌から身を守るために、樹木が自ら作り出して発散している物質で、木の香りや色などのもとになる成分と言われています。植物や細菌などを撃退する働きを持つフィトンチッドですが、人間にとっては癒やしをもたらす成分となります。実際に、血圧を下げたり、脈拍の乱れを少なくするなど自律神経を安定させる効果が実験で確認されており、免疫力向上に寄与するという論文も発表されているほどです。
また、このフィトンチッドには、リラックスする時に人の脳内で発せられるアルファー波の量を増やすことが実証済み。そのため疲労回復や緊張緩和、ストレス抑制効果があるとされています。
調湿効果
無垢材には湿気がある時には室内の水蒸気を吸い、逆に乾燥している時には水蒸気を発散させて湿度をコントロールする働きを持っています。そのため、梅雨の時期に無垢材の床を素足で歩くとベタつかず、サラサラとした肌触りを感じられ、冬は静電気を抑えてくれるのが魅力です。
ザハウスが無垢材を使う理由
丸太から切り出した天然の木=無垢材
ザハウスでは標準仕様としてすべての住宅に、床や階段には無垢材を採用しています(一部、規格住宅では例外あり)。それは、明治9年に一軒の材木屋として創業してから約140年以上もの間、天然の木と触れ合ってきた経験から、無垢材が人のカラダにもたらす影響を深く理解し、永く安心して健康な生活を営むためには、私達の暮らしに無垢材が不可欠だと考えるからです。
ザハウスが目指す家は「ウェルネス住宅」
ザハウスは日本中で活躍する建築家とコラボレーションして、デザイン性の髙い住宅をご提供しています。それと同じくらい大切にしているのが健康性能を備えたウェルネス住宅です。
ウェルネス住宅とは快適に暮らせるだけでなく、健康寿命を伸ばすことまで考えた性能を持つ住宅のこと。できることなら健やかな状態で長生きしたいもの。そこで、ヒートショック防止やアレルギー対策、良質な睡眠、ストレス緩和などを支える材料を選びぬいていますが、どれにおいても無垢材の存在が欠かせません。そのため、ザハウスでは、無垢材を標準仕様として採用しています。
ザハウスが使う自然素材
前述したような健康性能を持たせる住宅をつくるためには、無垢材が不可欠ですが、他にもさまざまな自然素材の使用を心がけています。
例えば漆喰。北海道産のホタテの貝殻を含んだホタテ漆喰やアルプスの山で採取された石灰岩を含んだスイス漆喰など、さまざまな種類がありますが、どちらも消臭・抗菌効果に優れています。また、無垢材同様に、調湿効果も備えているため、室内の湿度をコントロールしてくれます。
他に、塗料もひまわり油や植物性のワックスなど自然素材のものを使用しています。せっかく無垢材の床を設えても、化学物質でつくられた塗料を使えば、その効果は半減してしまいますので、厳選した塗料を採用しています。